世界のラグジュアリー市場拡大の要因は販売数ではなく価格の高騰

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■世界経済不況の中、中国人富裕層を中心に高いものほど買う傾向が顕著となった10年■

ロイターで掲載されている調査によると、世界のラグジュアリー市場は拡大しているようです。傾向として、価格の高騰(単価の高い商品を好む)による影響が大きいことがわかりました。富裕層の顧客達は費用という点を忘れて「ベスト」と思うものを買う。値段が買う理由ではなく、欲しいものを買う。この層が市場の拡大を牽引していると。ブランドで言えばエルメス、シャネルなど。

 

“There is a tendency among the most high-end buyers to forget about cost. They want the best. They want what they want,” said Michel Chevalier, author of Luxury Brand Management.

It is the most expensive brands, dubbed “absolute” luxury – among them Hermes, Van Cleef & Arpels and Bottega Veneta – that are growing the fastest of all, thanks to emerging market demand, particularly from China.

According to Bain research, the “absolute” segment has grown 6 percent a year, outperforming the general luxury market, since 2000. It now accounts for 40 billion euros of the 191 billion euro luxury market and is expected to grow faster than other segments through 2014.

 

曰く、中国の富裕層のような「超強力な富裕層」は、2000年からの調査で毎年6%の成長率を記録しています。現在、世界のラグジュアリー市場は約19兆円まで成長しましたが、そのうち約4兆円は「超強力な富裕層」が占めています。そして、2014年にはほかの相対的な顧客層よりも、早い成長率になると期待されています。

 


■欲しい人に供給できる生産体制に限界がきた

シティグループ証券ラグジュアリーアナリストのThomas Chauvetは、プロダクトを生産し供給できる数量が、フランスという小さな国では限界があると述べています。イタリアも、ロンドンも同じですね。一方で、それが価格を幻想のように高騰させる機会になる、とも説明しています。古典的な需要と供給のバランス。

 

実際、2001年から2011年の間に、ラグジュアリー市場の平均価格はほかの産業の平均価格よりも速くは高騰し続けています。これは、11年に渡るユーロ圏のインフレ傾向も影響しており、その比率は合計26%になっているそうです。
ちなみに、今1ユーロ90円台後半ですが、2008年7月23日には1ユーロ169.93円という最高値をつけています。やっぱり、リーマンショック前後が1つの節目ですね。海外の直営店の価格が変わらなくても、本部のあるフランスやイタリアの価格は相対的に安くなります。

 

 

■経済不況を勝ち抜くパワープライシング

パワープライシングとは、「顧客価値から発想するプライシング」という意味です。ブランド価値を損ねずに、不況を乗り越える秘策。

ルイヴィトンのバッグの価格を例にすると、高すぎると顧客が遠ざかるし、安いとブランドイメージにダメージをうける。このことから、最初にルイヴィトンの商品を買う値段を、いくらにするかという意思決定は、1年を通じてルイヴィトンのすべての課題の一番の問題になるそうで今でも議論の対象。

一方、ブルネロクチネリのような、カシミアでトップクラスの品質を誇る個人の高級ブランドは、パワープライサーとして価格競争に巻き込まれず、高い価格設定をしてよく売れる。

実際、コモディティプライス(手の届きやすい価格帯)の商品の値上げは、顧客の数が多くても少ししか利益がない。一方、トップメゾンの適正価格は半分以上が利益のみ。よって、単価が高い商品をさらに高くすることが利益を吸収できるのが現状です。

この強気のパワープライシングが、直営店以外に広範囲に販売網を拡げたり、百貨店のセール、アウトレット出店よりも2.5倍儲かるそうです。しかし、今これができるのはエルメス、ルイヴィトン、シャネルほか、一部のメゾンだけでしょうけど。

 

■中国人富裕層を追いかけ管理する

中国国内の直営店で販売されているラグジュアリーブランドの価格は、関税などでヨーロッパ本部の1.5倍。ゆえに、それを知っている中国人の富裕層の中には、フランスで直接買うという方法をとっているそうです。その人数が多いため、LVMHはヨーロッパの適正価格を10%あげるという戦略を行うようです。

 

中国、アラブ諸国、インド、ブラジル、メキシコなどの超強力な富裕層は、一部といえども、かなりの数。中国国内だけでも資産1億円以上が100万人突破。10億円以上も63500人います。
この層は、法外な価格でも欲しければ買うのがこの層です。しかし、いつまでもこの状況は続かないと思います。それは、国の理由が大きい。
ユーロ圏で、破綻するかもしれない国がある。アラブの春は、他の国でも起こるかもしれない。バブル経済の末路。オイルショック。その他、様々な要因によっておこる二次被害。経済は感情、集団心理によって動くときがあります。その時、市場構造はどうなっているか、見極める冷静さは必要でしょう。
そして、技術によってはフランス、イタリアに負けない日本。今こそ、国をあげて日本の職人、工場をサポートする体制を築いてほしいと思います。

【via】 Reuters

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