持ちつ持たれつの日本と英国のファッション事情Like european promises

No related posts.

このエントリーをはてなブックマークに追加

■日本ブランドが欲しい英国と海外進出を加速せざるを得ない日本ブランドの繋がりを考察

「かつて、パリ・コレクションで物議を呼んだ日本ブランドの「黒の衝撃」から約30年、今度は日本のモダンストリートファッションが世界を牽引するだろう」と、英国メディアがの記事には書かれています。それが英国のファッションシーンの1つなんです。すごく良いように聞こえますが、そこには英国と日本、それぞれ事情があります。

Japanese fashion: Eastern Promises – Fashion – The Independent

Japanese fashion designers first made a splash in Europe 30 years ago, but Tokyo’s talents and streetwear styles are the next big thing in modern menswear. Adam Welch reports

渡辺淳弥氏の、ファッションデザインについての考察を英国記事から紹介しましたが、今回もTh
e Independentのweb版で掲載されています。というわけで、僕の英語の勉強につきあっていただくことも含めて、取り上げてみたいと思います。

簡単に結論を言うと、英国は日本のストリートブランドに飢えているそうです。それは、素晴らしい英国のデザイナーいるにもかかわらずです。一方、日本ブランドは国内市場だけで経営していくことが困難になったため、リスク(値崩れなど)があっても海外に進出していかなければならなくなりました。不況と震災で、それはさらに大きくなった。
そこで、日英の思惑が一致しました。背景が、The Independentに書かれています。「持ちつ持たれつ」というわけです。題名では「イースタン・プロミス」とありますが、これはもともと人身売買契約のような意味を持つので、決して褒められた表現ではないですけど、強くしたんでしょう。
以下から、英国を代表するストリートファッションのセレクトショップ(ECを含む)End Clothing、Mr Poter、Oki-ni、LN-CCのバイヤー達が日本のブランドを必要としている理由を語っていますので、簡単に紹介します。

【英国のセレクトショップのバイヤー達が話す日本ブランドの魅力】

“The amount of detail that goes into Japanese brands and production, I think, is unrivalled,” says Christiaan Ashworth, co-owner of Newcastle’s End Clothing, one of the UK’s most savvy and forward-looking menswear boutiques. “British production’s fantastic, as is American, but…in Japan, the consideration that goes into the products… sometimes it even seems crazy, the lengths that they will go to.”

20120406005300

【リンク】End | Globally Sourced Menswear

ニューキャッスルの有名メンズブティックEnd Clothingの副オーナーであるChristiaan Ashworthいわく、
「日本のブランドや製品に含まれる多くのディテールは比類のない存在だと考えている。英国やアメリカの製品は確かに素晴らしい。しかし、日本では、製品を調査してみてわかることは、一見クレイジーとさえ見えるようなことまでもするところなんだ。」

As examples, he cites pieces like a shirt by the much-hyped technical label White Mountaineering with printed inner seams, or the way in which Hiroki Nakamura, the designer of the ultra-premium men’s brand Visvim, completely redesigns every piece, from basics to the top-priced items, each season. “Whereas other brands might make a bestseller and make it in a colour the next season, he won’t do that because it’s all about design innovation,” Ashworth says.

例として、大きな話題となっているホワイトマウンテニアリングのシャツや、各シーズンでどんなベーシックなピースからも完全に、リデザインしてトッププライスアイテムに昇華する、中村ヒロキの超プレミアムブランド、ビズビムなどをあげています。
また、Christiaan Ashworthは、「ほかのブランドがよく売れそうなアイテムをつくり新しいシーズンのカラー出してきても、日本人は同じようなことはしないだろう。だって、日本の場合すべてにおいてデザインイノベーションだからだ。」 と話します。

【デジタル情報の拡散と経済状況が、日本の内向き志向という厚い壁を崩した】

実際10年前くらいまでは、日本のブランドを英国で手に入れることは大変だったんですね。日本という国が、多少島国根性のところもあって税や配達などコストに関して障壁がある。結果、大変高価になってしまうことがあった。それから数年後の現在、英国内で日本のストリートファッションブランドが、様々な形で手に入るようになっています。ソフネット、ユニフォームエクスペリメントといったストリートブランドや、藤原ヒロシ氏とのコラボレーションもあります。Oki-niでは、アンダーカバーを取り扱うようになりました。LN-CCはサスクワッチファブリックスなど新鋭のブランドなどを積極的に取り扱えるようになっています。

なぜか?

Christiaan Ashworthいわく、
第1に、インターネットでのアクセスビリティが需要を喚起したと言っています。ネットですぐ見つけられるということですね。皆がそれに気づくということです。
第2に、日本の経済不況と昨年の震災による日本国内市場のダメージによるもの。先程書いたように、島国根性のある日本人は海外進出を考えざるを得なくなる。そこで、収益を得るビジネスモデルを探るようになったからであり、重い腰を上げたと。

20120406005755

【リンク】Oki-ni

日本のブランドは、英国のストリートファッションの中で拡大していることで、そのポテンシャルは販売店で証明されていることをOki-niの関係者が話しています。ビジネスとして、お金になるという側面。また、他の側面として、日本人デザイナーの精神性が受け入れられているとのこと。

20120406010350

【リンク】MR PORTER 

逆に、日本側は、もともとフェイス・トゥ・フェイスの地理的に近い範囲でビジネスをする習慣があったのが、近年変わってきていたことを指摘しています。
例えば、ビームスプラスを英国のMr Poterに展開し始めたビームスの副社長遠藤恵司は、「同じコンセプトを持ったストアなら世界中で良い関係性を築いていきたい」と語っています。さらに、NIGO×Mr Poter、kolorなんかも展開しています。

本ブログでお馴染みのLN-CCの場合、単に日本ブランドが新しくてユニークだから多く取り扱っている、という考えもあります。「我々は、日本の新しいストリートファッションの波に乗りたいんだ。」と、LN-CCバイヤーのダンミッチェルは話しています。さらに、ダンミッチェルは「日本の中にあったガード(お決まりの某デザイナーブランド)がシフトし入れ替わっている現象が起きていることを指摘。東京では、とてもエキサイティングな若手デザイナー達が現れ始めている。それは、まだ海外では認知されていないが、数年後必ず彼らが成功することが証明されるだろう。」とも語っています。

20120406010623

【リンク】LN-CC

LN-CCは、日本でもまだあまり有名ではないブランドを取り扱っています。逆に、そこから日本で有名になる可能性もあるかもしれませんね。しかも、セールだと日本で買うより安い可能性もあります。適性価格は各国で違いますし。

【最後に】

訳あって、日本ブランドがヨーロッパで展開されるとは思いますが、僕は結果的に良いことだと思いたいです。というのも、UAの栗野宏文氏が指摘していたように、素材からプロダクトまで1つ国で生産できるのは日本とイタリアしかない、という貴重な特徴があります。 これが武器になると信じたい。
また、LN-CCのトップであるジョンスケルトンがかつて語っていた話で、「東京のストリートはリアルなランウェイショー。そこから生まれるブランドは、英国のそれより魅力を感じる」という指摘があります。日本の中にいると、飽和しちゃっていてつまらないか、奇抜と取られるスタイルも、英国では斬新だったりするんですよね。
だから、海外で成功して日本に帰ってくると凱旋帰国となります。周囲の反応が変わります。日本人は、ミーハーなところがあるので、評価も相対的。英国で素晴らしい!と言われた日本ブランドは、日本でも成功する可能性があるんです。kolorとか、はじめからパリで展示して成功しましたからね。ビズビムも、日本より海外のほうが有名でした。

なので、僕は日英のファッションが「持ちつ持たれつ」から、相乗効果の関係になっていけば良いな、なんて思った次第です。

関連: 日本のファッションシーン 温故知新からインスパイアされる欧米 

No related posts.

Subscribe to RSS via Email:

Subscribe with Brand Fashion Communication and get updates frequently in your inbox

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">

メゾンマルタンマルジェラのジャケットとシューズ

メゾンマルタンマルジェラのジャケットとシューズ

ニューバランス576BCL

ニューバランス576BCL

1205のハリスツイードジャケット

1205のハリスツイードジャケット

1205のスイスコットンシャツ

1205のスイスコットンシャツ

Shopping