ファッションショーとITの議論:ファッションショーは必要か?【1】

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■ファッションメディアのトップ達がデジタル時代のライブファッションショーの在り方を問う■

 

ファッションとITについてKCD, Style.comといった大手のファッションメディアのトップが中心になり、若手デザイナー、ブロガー、学生達が集まり議論する集会がありました。

 

具体的な参加者は、司会をパーソンズ美術大学のサイモン・コリンズ。パネリストとして、JFWのスポンサーシップ販売代理店契約を結んだ、IMG副社長Peter Levy、キュレーターのJenne Lombardo、デジタルファッションショーを進めるKCD副社長Rachna Shah、Style.comのチーフエディターDirk Standenが参加。

 

お題は、 大きく言うと『デジタル時代におけるファッション・ウィークの役割』です。

「1993年、NYファッション・ウィークではデジタルカメラは存在していなかった。 – 今日世界はガラリと変わり、皆がすぐに批評家になれる」

この話を皮切りに、この議論は次の内容へと展開していきます。

「What’s the Point of Live Fashion Shows?(ライブイベントのファッションショーのポイントは何か?)」。

この点を中心に、議論をを行ったようなので、順に取り上げてみたいと思うのですが、ポイントは最終的に「従来型ファッションショーの有無」にまで入り込むことになります。

ファッションショーを売上をあげるための「投資」として考えた場合、それは若手デザイナーにはあまりにリスクがあるというのは?という疑問は、古今東西同じようですね。理由はデジタルというより不況でしょうけど。一方、従来型のショーと紙媒体へのノスタルジーを主張する側もあり、白熱しました。

 

ライブイベントのファッションショーの疑問:このスケジュールは極端に時代遅れではないか?

 

■技術を嫌ってきたファッションショー

 

半年に1度、5分から10分の時間のために、1週間程度動きまわってテントのベンチに座ってその場で売られることのない衣装に身を包んだモデルを観る。昔は、ベンチの一番前の席、フロントローが憧れだったわけですが、ITなどの技術でそれは変わってきたことは皆さんご存知。

フロントローに座ることよりも、外での商談、通信速度、コレクション全体の把握などに注力されているということは異論はないようです。

そもそも、ことファッションショーの話になると、(運営している組織は)IT関連の技術の導入に対して消極的になる現実があった、と書かれています。その風穴を開けた技術がFashion GPSというサービス。ファッションGPSでは、ショーやファッション関連のイベントなどのスケジュール、RSVPを一括に管理し、開催の場所までナビゲート。まだ東京コレクションでは導入されていないんですね。

3Dやデジタルフィルムによるランウェイショーで、マーケティング戦略を打ち出してきたキュレーターのJenne Lombardoは、今までのファッション・ウィークのカレンダーは極端に時代遅れだと主張しています。

そういえば、NY、ロンドン、パリ・ミラノコレクションのモデルの移動時間が、あまりに短くて問題になりましたよね。バイヤー達も毎回移動するだけでも大変のようです。

 

 

 

■パネリスト達の苦悩 ITというワードはファッションとは相容れなかった

 

前述の通り、パネリストとして参加しているメンバー達は、かつてファッションとIT黎明期における期間の葛藤と苦悩を聴衆に語っています。「かつて、テクノロジーというワードはファッションとは相容れなかった」と。例えば・・・、

 

●iPadで写真を撮ることは許されない雰囲気。

●Style.comのランウェイショーのレビューは24時間以内となっているが、スピード重視の方法による異例の騒々しさに、最初は、オーディエンスからは笑われた。今では2時間でも遅れるとブーイングというオチ(皮肉めいて)。

●限られた人達がランウェイショーを観て、そこから携帯電話で配信されてくるTwitterやInstagramによって、服に集中ができないという矛盾。

これらの技術とファッションとのギクシャクした関係を解決する1つの方策として、オンラインファッションショーが出てくるわけです。

 

 

■ライブファッションショーを観る意味

 

fashion PRのKCDは、オンライン専用の新しいプラットフォーム、デジタルファッションショーをつくりました。これこそが、ライブはライブでもライブストリーミング配信でファッションショーを観る意味であると主張しています。さらに言うと、正直な話、すべてのブランドが物理的なライブイベントでのファッションショーをする必要はない、とも述べています。

これに対して、Style.comのDirk Standenは異を唱える。

オンラインでは得られない、生々しい経験で分かる服のクオリティーの違いがある。例えば、バレンシアガとバルマンのレビューを比較して、バルマンはオンラインで良いかもしれないけど、バレンシアガはライブイベントが必要である、と述べています。

また他の声として、それならデザイナーはオンライン用とライブイベント用に、服を作れというの?という疑問がまた生まれてきてしまいます。 要するに、売上を上げる要因になる方法論がどれか?ということと話は続きます。

 

 

小結 ライブイベントのファッションショーからブランドエトスの重要性が浮上

 

■これからのブランドはライブイベントのファッションショーと、オンラインの2手に分かれていく

 

ライブイベント型のファッションショーに価値がまだあると仮定しても、前述の通り短い時間で多くのランウェイショーが終わってしまうのは、エディター、バイヤー達にとって問題がある。たぶん、すべての人達にとって、ショーを観ることが必要ではないという見解に議論は収斂していきます。そして、以下の注目点があがります。

『ブランドの中には、6ヶ月の期間をかけて用意してライブ・イベントのファッションショーを開催することこそが、ブランドを説明する唯一の場であるものがある。もう1方は、その必要がない』

 

 

この、もう一方というのが若手デザイナーのブランドが多い。

「いわゆるデザイナーではなく、服をデザインする人であってもいいのではないか?」ということを資金難の若手デザイナーの葛藤を例にあげてJenne Lombardoは説明します。そして、彼女は提案します。

『デザイナー達は、服を作る一方で、自分のブランドエトスをつくるために、イメージビデオのコンテンツやバズマーケティング(SNSを活用した口コミ)を仕掛けることに集中することが大事であり、ライブイベントのファッションショーよりも価値がある。彼らはあまりにも、高額でノーリターンな投資をしている。』

【最後に】この議論をまとめて

ライブイベント型のファッションショーよりもブランドエトスを作れ」。最初の説明でも少し紹介しましたが、ファッションショーの有無、在り方が、この議論の核心へとシフトしたところが大きいと思うんです。時代はライブイベント型のファッションショーの根幹を揺るがす・・・僕は読んでまとめて素直に思います。

ブランドエトスというのは、まだ日本で拡大していない概念です。ブランドの気風、精神みたいな意味合いでブランド・アイデンティティーの中にあるもの。ファッションマーケティング以外では、日本語表記で出てこない表現だと思います。これを盛り上げたほうが、安いし結果的に売上につながるよ、とキュレーターのJenne Lombardoは提案。

ブランドエトス、興味深いのですが、ロンドン・パリ・ミラノコレクション2013S/Sで、このブランドエトスを自力で作り上げたブランドがありました。もちろんファッションショーはしていません。その辺を私の意見も含めて次に説明させて頂きます。

 

【via】 style file  Fashionista

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