ハウンドトゥースはもともと氏族を争いから守るシンボルだった

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■戦争がカモフラ柄なら 中立性はハウンドトゥース

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前回、カモフラ柄の歴史について触れました。イギリスの流れが、アメリカンクラシックの中から少しずつ見えてきた昨今、今回は渋いハウンドトゥース(千鳥格子)の歴史について、ご紹介したいと思います。スーツ、ジャケット、コート、マフラー、それにニットなど、大人の着こなしに重要な柄でありながら、MEN’S EX系のムック以外では説明を見ることはあまりないんですよね。

日本では千鳥格子(ちどりごうし)と呼び、千鳥の連なって飛んでいる姿が由来です。イギリスの本家の呼び方は、ハウンドトゥース(hound tooth)とは、hound=猟犬、tooth=歯で、「犬の牙の形」が名前の由来となります。いずれもツートーンのパターンが基本。非常に野性味溢れる表現です。

そのワイルドな名前とは異なり、ツイードのような粗い感じの感触ではなく、本来、スムースな肌触りが特徴。水平と垂直のバンドが交互に組み合わさっています。また、時代ともにバリエーションに富んだものも増え、その意味合いもと変化していきました。

ハウンドトゥースには、元来争いを避けて中立の立場をとる、スコットランドの氏族をわかりやすく分類する役割があるのをご存知でしょうか?ハウンドトゥースの起源とともに、簡単にご紹介いきたいと思います。

 

 

■ハウンドトゥースの起源

◎スコットランドの氏族の識別のシンボル

ハウンドトゥースの起源は、スコットランドローランド地方。数百年前に遡ります。もともと、固有なスコットランドの氏族(クラン)の中立性、他の氏族と識別するために用いたもの、と言われています。
よく聞く「タータンチェック」のタータン。これが氏族(クラン)と同じ意味合いです。16世紀ごろのスコットランドで、各クランの紋章としてチェックが使われます。一度、イングランド勢によって氏族制度が解体されてしまいますが復活。ここで、ローランド地方にも氏族が確立されて識別するパターンも登場。タータンチェックがハイランド地方、ハウンドトゥースはローランド地方のようです。

このパターンは、ちょうどカモフラ柄(迷彩柄)が、森林に紛れたり、戦いを連想させるものだとしたら、ハウンドトゥースは意味としては逆でした。そして、このパターンで衣装として仕立てられ、スコットランドの政治的なメッセージとして、すぐに取り入れられていきました。

◎1800年初頭~第二次世界大戦後で変わるハウンドトゥースの意味合い

1800年初頭を通して、ハウンドトゥース柄はコットンとシルクの中で使用され、ブラザー、ドレス、スカーフのデザインとしてトレンドとなりました。その後、再燃したのは第二次世界大戦後のこと。ハウンドトゥースは、大衆の間に拡がりました。
1800年代のときと違うのは、たくさんのアクセサリーも盛り込むことによりハイファッションのモチーフのルーツになったのではないか、ということも言われています。
◎Paul “Bear” Bryantがつけたハウンドトゥースのイメージ

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Paul “Bear” Bryant

さらに、ハウンドトゥースの大きな流れをつくった例として、アメリカのPaul “Bear” Bryantの存在があります。
彼は、アメリカンフットボールの伝説的な監督です。Paul “Bear” Bryantは、ハウンドトゥースのアルペンハットを、アクセサリー感覚で被っていました。これは、監督がアメフトファンへの軍隊と忠誠心を意識していたという説明もあり、ハウンドトゥースのモチーフの在り方が多様化されていきます。ハウンドトゥースが、戦闘的で男らしい象徴になった瞬間。さすがアメリカ!軍事っぽくなった。

ところが、Paul “Bear” Bryantの有名なアルペンハットは、ハウンドトゥースに対して悪いイメージをもたらしてしまいました。それは、ハウンドトゥース=おじいさんの衣装、というイメージです。私の祖父も、ハウンドトゥースのジャケットをよく着用していましたが、いぶし銀という感じでした。僕個人の中では良い思い出で結構好きでしたけど。

 

 

 

■ハイファッションとして世界で復活したハウンドトゥース

◎ハウンドトゥースのカムバック

21世紀に入り、エンポリオアルマーニ、ルイヴィトンなどがハウンドトゥースを、ラグジュアリーに適用可能な新しいエシュロンとして用います。また、それは新しい世代すべてへのファッションの可能性と、正しい認識(若者も着てOK)であることとして、紹介されました。

ハイファッションとしてハウンドトゥースが再構築されてから、Naked & Famousのデニムのように、少しずつストリートでもデザインのアクセントとして見かけるようになりました。

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Naked & Famousのハウンドトゥースデニム

また、日本限定のノースフェイスパープルレーベルハウンドトゥースコレクションのように、デザインの中心として選択するブランドも現れています。

◎おじいさんの衣装からストリートファッションへ

昔の世代の間では、ハウンドトゥースといえばPaul “Bear” Bryantのアルペンハットのようなクラシックの傾向性が強かったが、新しい世代においてはニューエラ×ニューヨーク・ヤンキースのキャップのような、デイリーで使えるストリートウェアのモチーフとして変化していきました。

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New Era 59FIFTY Houndstooth Fitted Cap

ツイードや、ハウンドトゥースは、今でもいくらか限定され特別な存在ではあるものの、モンクレールガムブルーハウンドトゥースベストのように素晴らしい成功を収めています。

◎クラシックなパターンは20年から30年周期で帰ってくる

ペイズリー、ツイード、あるいはカモフラ柄のような、輝かしかったり、大胆だったり、クラシックデザインは、いつも次の大きなトレンドとして変えるために必要とされる。これは、再発見としてファッションの歴史において20年から30年のサイクルでやってきます。今は、ハウンドトゥースがまさに旬ということです。

以上、簡単に紹介させて頂きました。パターンの背景に深い歴史あり。最後に、最近のハウンドトゥースを使ったファッションの楽しみ方をどうぞ。 レディガガさんさすがです。

【via】Hypebeast

関連:カモフラ柄がファッションに変わる歴史の流れ「隠れるための迷彩から見せるための迷彩へ」

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